アジサイの大発見

 

 庭のヤマアジサイがひっそりと咲いている。咲き始めたのは先月だから、ふつうのアジサイよりも早いみたいだ。小ぶりで繊細なこのヤマアジサイが好きだけれど、元気いっぱいのアジサイも実は結構好きだ。

 アジサイというと、母が職場でもらってきたピンクとブルーのアジサイの切花を思い出す。挿木にできるよ、アジサイは強いから!と言われてきた母、その通り!見事に根付いて大感激だった。「挿木」という言葉、このアジサイから学んだと思う。まだ小さかったはずなのに、よく覚えているのは母が繰り返し話したからだと思うんだ。「ほんとにアジサイって強いのよね」って。それで、引っ越しした次の家にも連れて行ったような記憶があるけど、それはあまり定かじゃない。

 アジサイ、スペースキーを叩いて変換すると「紫陽花」だ。今更ながらに、あれ、「陽」だ。太陽の陽!

 今日うっかり1日早まってお祝いメッセージを送ってしまったんだけど、明日はIちゃんの誕生日だ。Iちゃん、名前に「陽」の字がある。名前の通り、いつだってニコニコ笑っていて、気持ちを明るくしてくれる子だ。中学生の時から今日の今日まで、太陽みたいなIちゃんだと思っていたけれど、それ、違っていたのかもしれないな。雨の続く季節にも皆を笑顔にしてくれる紫陽花。元気いっぱいで美しく強い紫陽花。「陽」はきっと紫陽花の「陽」だ。

 まだ白い紫陽花が色づかんとしていたそんな頃、Iちゃんは生まれたんだね。