いい言葉ばかりを毎日


 低温やけどするかもしれない。そう言うと、Tくんは笑うけど、それほどJさん、手のひらでホカホカなんだ。最近、換羽が始まって、甘えんぼに拍車がかかっているみたいで、ずーっと手のひらに乗っていたりする。そうすると空いている方の手だけで仕事をすることになってしまうんだけど、それも幸せというもの。

 文鳥のJさんは我が家の宝物だ。わずか25グラムほどの小ささで、すごい存在感だ。
この間、ふと思った。Jさんが知っている言葉って、なんだろう。

 Jさんの名前、ニックネームのほかに、
かわいいね、いいこだね、おりこうさん、きれいきれい、おいしいね、上手だね、…

 Jさん、毎日、毎日、こんな言葉だけを浴びるほど聞いて生活しているんだ。
そして、わたしも。こんな言葉をたくさんたくさん口にしているんだ。
Jさんが来てからというもの、毎日毎日。
なんて、素敵なことだろう。

 「Jさん、たからものさん、だいすきだよ」
 だいすきだよ、なんて、前はちょっと照れくさくて、なかなか言えなかった。

 八兵衛は、たくさん言ってくれてたのに。
「だいすき!」「だいすき!」
それはもう、毎日、毎日。