パパお気に入りの宝石箱


 最近うちではハーゲンダッツのミックスベリー&クリームチーズが流行っている。Tくんが見つけてきた期間限定のアイスクリームだ。赤いベリー味の部分と白いクリームチーズ味の部分を練って混ぜながら食べるのが正統のようだけど、Tくんは別々に食べた方が美味しいと言っている。バランスは自分でコントロールしたいらしい。

 今でこそ、いつでも食べたい時に食べているアイスクリームだが、昔はちょっぴり特別な感じのものだった。今日は特別暑いから、とか、何かのご褒美、とか、熱があって食欲がないから、とかね。だから、アイスクリームの記憶は色々残っている。こんなカップのアイスクリームを見て思い出すのは「宝石箱」だ。父のお気に入りで、八兵衛と2人で時々おつかいに行ってたんだ。

 「宝石箱」はちょっと高級感のあるブラックのパッケージ、そして、アイスクリームカップは丸くなくて正方形。「箱」だからね。蓋を開けると、バニラアイス、その中にキラキラした氷の宝石が散りばめられている。フルーツ味の氷だ。グリーンの氷だったらメロン味、赤い氷だったらイチゴ味だったんじゃないかなあ。色々な色の氷が入っているレインボー味というのが、頭の中にはあるんだけど、私の想像の産物かもしれない。

 このアイスのこと、この間話したら、やっぱり父も憶えていた。「あれ、美味しかったよねえ。好きだったなあ。」って。あれはどこのメーカーから出していたのかな。どうして無くなっちゃったんだろう。今から考えても、なかなか素敵なアイスだったと思うんだけどな。