邪魔だった月桂樹の葉っぱ


 うちの月桂樹が、ついに切り株になってしまった。いつだったかの台風以来、グラリと斜めになったまま、頑張ってきたのだけれど、この間の剪定で切ってもらった。大株はサヨナラしたけど、ちゃんとひこばえが伸びてきている。その若い茎を、こどもカマキリが小さな鎌をふりふり、登ったり降りたりして遊んでいた。 大株の葉をたくさん収穫してあるから、まだしばらく大丈夫だけど、また葉を収穫できる日が来るかな。

 月桂樹の葉、ローリエは洋風の煮物には欠かせない。ラタトゥイユはもちろん、ホワイトソースを作るときもカレーの時も大活躍だ。この香りがあるのとないのとでは全然違う。

 今はこんなに重宝がっているローリエだけど、子どもの時はちょっと微妙な存在だった。なんだ、この食べられない葉っぱは!という感じ。この葉っぱ、父が作るボンゴレに必ず入っていたんだ。

 ボンゴレ・ビアンコは、土曜日のお昼に時々父が作ってくれた。ゆでたてのスパゲッティからは湯気がホカホカ、たっぷりのアサリはローリエと一緒にバターで炒められ、白ワインで仕上げ。キッチンに充満するボンゴレの匂い。今なら、こうやって書いているだけで、う〜ん!ワインでも飲みながらいただきたい最高のランチね!と思うのに、昔はアサリが苦手だったこともあり、ボンゴレなんて、全然嬉しくなかったんだ。確かにコドモには風味も旨味も強すぎるかもね、ボンゴレは大人の味だ。
 この話をTくんにしたら、「さすがだ。そうやって子どもの時から食いしん坊教育がなされていたんだな。」と感心された。

 母のブログに父が作る料理が載っているけど、ボンゴレは見かけていない気がするな。今もローリエを入れて作るんだろうか。ローリエの葉入りのボンゴレ・ビアンコ、今度帰省した時に、リクエストしてみよう。