大好きなサラダ菜 柔らかくておいしいサラダ菜

  


 文鳥のJさんはサラダ菜が大好きだ。飼育書に従って、まだ独り餌になっていない時から小松菜をお部屋にぶらさげていたおかげか、小松菜だの、サニーレタスだの、菜っ葉類が大好きになった。サラダ菜は最近の一番のお気に入りで、特に芯の方が好きらしい。

 Jさんのためにサラダ菜を切らさないようにしているので、うちの朝ごはんにはサラダ菜がいつも登場する。ワンパターンな朝ごはん、ミルクティーにトースト、サラダ菜にスライスチーズ。豆乳ヨーグルトには蜂蜜ときな粉、黒ゴマをすりすり。豆乳ヨーグルトは豆乳にR-1ドリンクを入れてヨーグルトメーカーで作る。ヨーグルトメーカーは「ヨーグルティア」だいぶ前の両親サンタのプレゼントだ。豆乳はトップバリューのグリーンなんとかで作るのがまろやかに仕上がって好み。ヨーグルトにきな粉と黒ごまを入れるのは同僚のKちゃんに教えてもらって以来だ。

 今は朝ごはんの常連のサラダ菜だけど、昔はサラダ菜って、なじみが薄かった。名前の割に、サラダに入ってるのはレタスばっかり。サラダ菜だったら、もっとおいしいんじゃないかなあ、うっすら思っていた。どうしてかって、これも『たろとなーちゃん』のシーンが頭にあったからだ。

 たろとなーちゃんのお友達のカメさんがプレゼントをもらうんだ。黄色いリボンの包みを開けると、中にはサラダ菜。「やわらかくて、おいしい、サラダな。カメさんのだいすきなサラダな」 嬉しそうにサラダ菜をむしゃむしゃするカメさんの絵。ああ、サラダ菜、なんておいしそうなんだろう。

 『たろとなーちゃん』は読んでくれた母も大好きで、それなのに、いつの間にか家から無くなってしまっていた。それをいつだったか、八兵衛と母がどこかのバザーで見つけて、また買ってくれたんだ。それが今も実家の本棚にあるはずだ。今度帰省した時、読み返してカメさんに会いに行こう。Jさんがサラダ菜にパクつくのを見るたびに、あのカメさんのこと、思い出しているんだから。